基本、新書。

新書・選書・学術文庫の魅力を伝えたい、フレイの読書ブログ。

広瀬友紀著『ちいさい言語学者の冒険 子どもに学ぶことばの秘密』子どもの「言い間違い」に寄り添い、言語発達の鍵を探る。

今回紹介する本 ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密 (岩波科学ライブラリー) 作者:広瀬 友紀 岩波書店 Amazon 出版社:岩波書店 発売日:2017/3/17 レビュー 本書は子どもの「言い間違い」に注目し、私たちの言語発達の過程を考察する1冊。 気…

渡辺正峰著『脳の意識 機械の意識──脳神経科学の挑戦』ただの電気回路から生み出される意識。脳神経科学が抱える長年の謎に迫る。

今回紹介する新書 脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者:渡辺 正峰 中央公論新社 Amazon 出版社:中央公論新社 発売日:2017/11/18 レビュー 意識の謎に迫る、脳神経科学の"今"を綴る1冊。 「人間に意識が宿る」というのは、恐らく多くの人…

黒田龍之助著『世界の言語入門』90の言語を一気読み。世界には魅力的なことばが溢れている!

今回紹介する新書 世界の言語入門 (講談社現代新書) 作者:黒田龍之助 講談社 Amazon レビュー 世界に存在する90の言語について、一言語につき見開き2ページで自らの経験と知識を綴った一冊。 筆者は個々の言語について研究することは大切だと認めつつも、言…

毛内拡著『脳を司る「脳」──最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき』ヒトの「こころ」に、脳の「なにもないところ」が関与!?

今回紹介する新書 脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき (ブルーバックス) 作者:毛内拡 講談社 Amazon 出版社:講談社 発売日:2020/12/17 レビュー 本著は、従来「脳」と考えられていた部分(ニューロンネットワーク)ではなく、脳細胞と…

田中ゆかり著『方言萌え!?──ヴァーチャル方言を読み解く』方言は、地域の”らしさ”を語り継ぐ。

今回紹介する新書 方言萌え!?――ヴァーチャル方言を読み解く (岩波ジュニア新書) 作者:田中 ゆかり 岩波書店 Amazon 出版社:岩波書店 発売日:2016/12/21 レビュー 「ヴァーチャル方言」を、中高生向けに平易に解説した一冊。「ヴァーチャル方言」とは、実際に…

高階秀爾著『バロックの光と闇』ルネサンスに続く西洋文化。時代とともに変化する美意識。

今回紹介する文庫 バロックの光と闇 (講談社学術文庫) 作者:高階 秀爾 講談社 Amazon 出版社:講談社 発売日:2017/11/11 レビュー 美術史における「バロック」の姿を解説する1冊。 今日でこそ荘厳で華麗なイメージがある「バロック」美術。しかし、「バロック」…

高見玄一郎著『港の世界史』海を掌握した者が、世界を掌握してきた歴史。

今回紹介する文庫 港の世界史 (講談社学術文庫) 作者:高見玄一郎 講談社 Amazon 出版社:講談社 発売日:2021/11/11 レビュー ヨーロッパを中心にしながら、港の発達が世界史にもたらした影響を古代史から20世紀まで辿る1冊。 最古の「港」は、現代の私たちか…

久野愛著『視覚化する味覚──食を彩る資本主義』食は中身より外見重視?

今回紹介する新書 視覚化する味覚: 食を彩る資本主義 (岩波新書 新赤版 1902) 作者:久野 愛 岩波書店 Amazon 出版社:岩波書店 発売日:2021/11/22 レビュー 食物と視覚の関係を研究する感覚史を解説する一冊。 150年前の絵画に描かれたバナナには、表面が黄…

高田貫太著『海の向こうから見た倭国』朝鮮半島の考古学が描き出す、倭国のもう一つの姿。

今回紹介する新書 海の向こうから見た倭国 (講談社現代新書) 作者:高田貫太 講談社 Amazon 出版社:講談社 発売日:2017/2/15 レビュー 朝鮮半島の情勢を読み解くことで、日本古代史を多角的に俯瞰する1冊。 よく高校までの日本史においては、「朝鮮半島から渡…

大津透著『律令国家と隋唐文明』「日本」や「天皇」の成立に寄与した、膨大な人々の努力。

今回紹介する新書 律令国家と隋唐文明 (岩波新書) 作者:透, 大津 岩波書店 Amazon 出版社:岩波書店 発売日:2020/2/22 レビュー バラバラだった日本を一つにまとめた立役者「律令制度」の秘密に迫る1冊。 古代日本は、中国に遜り、中国を丸パクリすることしか生…

森枝卓士著『カレーライスと日本人』インド産なのに、レストランだと洋食扱い?いまや日本の国民食「カレー」の秘密に迫る。

今回紹介する文庫 カレーライスと日本人 (講談社学術文庫) 作者:森枝卓士 講談社 Amazon 出版社:講談社 発売日:2015/8/11 レビュー カレーの不思議と歴史が詰まったエッセイ。 カレーの起源はインドにあることはよく知られていますが、私たちが食べている…

赤瀬浩著『長崎丸山遊廓──江戸時代のワンダーランド』「小さな大都市」長崎を潤し、活気をもたらした、遊女たちの記憶。

今回紹介する新書 長崎丸山遊廓 江戸時代のワンダーランド (講談社現代新書) 作者:赤瀬 浩 講談社 Amazon 出版社:講談社 発売日:2021/8/18 レビュー 大阪、吉原と並び三大遊廓と称されて賑わった長崎の丸山遊廓。しかしその様相は、他の遊廓と大きく異なって…

山本太郎著『感染症と文明──共生への道』いつだって感染症と戦ってきた人類。今が特別変なわけでもない。

今回紹介する新書 感染症と文明――共生への道 (岩波新書) 作者:山本 太郎 岩波書店 Amazon レビュー 人類ははるか昔から「感染症」との戦いを続けてきました。そのルーツは一体どこにあるのでしょうか。本著は、世界史上における感染症と人類の抗争を振り返り、…

自己紹介と新書推しの理由。

自己紹介 初めまして!風麗(フレイ)と申します。 普段はTwitterで読了ツイートを垂れ流している大学一年生です。 この度読書ブログを開設することにいたしました。 ブログ開設のワケ 「読書ブログなんてもうありふれているのに今更何で?」と思われる方も…